憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
プロローグ
死んだ人間の魂が我が身とともにあるというのは、実に奇妙なことだった。
今だから言えることだけど、あのとき十円玉から指を離さなければこんなことにはならなかった。
もっと言えば、ちょっとしたその場のノリで“こっくりさん”なんてやらなきゃよかった。
僕はいま現在、酷く後悔している。
*
僕の毎日は単調でつまらない。朝起きて学校へ行き、授業を受けてから帰宅する。
すでにテンプレートと化した日々に、少しの彩りを与えてくれるのは、スマホにダウンロードしたゲームアプリのみで、次に課金ができるのはいつだろうと考える。
お母さんが月に一回というルールを設けたせいで、たびたび課金ができないのだ。ゲームのキャラを強化するために新しいアイテムがほしいのに、一挙には手に入らない。じらされている。
とはいえ、携帯料金を支払っているのは両親なので、これに従うしかない。
クレジットカード支払いが膨らむといけないからとか、そういう御託で、僕は我慢を強いられている。まだ中学生だから、それも致し方ないことだ。
とにかく、何が言いたいかといえば、毎日に刺激がなくつまらないということだ。
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