憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
このままじゃいけない
スマホの占拠犯、三島彩羽が言うには、霊体と電子機器は不思議と相性が良いのだそうだ。
『よく分からないけど、通信機器とか電気系統って入り込みやすいみたいなの。波長が合いやすいっていうか……』
僕のスマホを使ってのみ、彩羽と会話が成り立つので、それ以外にはできないのかと尋ねたところ、できないと即答され、そう返ってきた。
おかげでスマホを私物化され、ゲームのいっさいが禁止となった。
親や友人と連絡を取り合うラインや電話は問題なく使えているので、ゲームやインターネットだけができないのは、彩羽のしわざに違いなかった。なんて幽霊だ。
こうなったらなにがなんでも彩羽を成仏させて、安穏なスマホライフを取りもどさなくちゃいけない。
彼女が憑いたことで起こる霊障は、今のところ左肩の重みだけだが、酷くなる可能性もある。
だけど成仏っていったい何をすればいいんだ?
これまで霊的なことにいっさい関わりのない生活を送ってきたので、具体的な案が思い浮かばない。