憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
 分からないことはウェブに頼るのが鉄則なため、家族が共用で使うパソコンをたちあげ、しらべてみた。

 検索結果の一覧はみごとに“お祓い”の文字がならび、霊能者や神社に相談することを推奨していた。

 僕としても第三者にこの問題を丸投げしたいのはやまやまだったが、何せお金がかかる。中学生の僕に万単位の資金などあるはずもなく、親にも言いにくい。だからこれ以外の方法で考えるしかなかった。

 休日の土曜日。タカシとコウジと僕の三人で行きつけのゲームセンターに出かけた。

 大きなボーリングのピンを看板にかかげたビルで、その三階に入ったお店だ。お気に入りのゲーム機が数種類ある。スマホゲームを取り上げられてからというもの、遊び相手がなく退屈していたのだ。

 入り口の自動ドアをくぐり、年季の入ったエレベーターに乗り込んだ。

 行き先階と閉のボタンを押してから雑談に興じる。すると急に箱の中がガタンと揺れて、低いモーター音が唸りを上げて停止した。

「え、なになに?」

「もしかしてエレベーター……」

 止まった? と目だけで会話をする。不穏な沈黙が僕たちを満たし、互いに渋い顔つきでドア上部にある表示灯を見上げた。

アナログ式のランプはちょうど二階で止まっている。
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