憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
丸いシーリングライトの中心で滲むオレンジ色を見つめていた。
九時には部屋の電気を消してベッドに寝転がったものの、今だに眠気は訪れない。当たり前だ。
土曜の夜は夜更かしするのが常なので、僕にとってはまだ起きていてもいい時間だ。
枕元に置いたスマホを一瞥してため息をついた。彩羽はあれ以来沈黙を続けている。ホームボタンを押して液晶を光らせても、そこに彼女の姿はなく、ゲームアプリの四角いアイコンがずらりと並んでいるだけだ。
いつもなら迷わずタップしていたアイコンを見ても、指は動かなかった。
体調が良くないからゲームをする気になれない、という至極当たり前な理由のほかに、言いようのないむなしさが胸の奥に張り付いていた。
死んでいるはずの彩羽が、別に存在していた。
これはどういうことだろう? 彼女の存在に関して納得のいく答えを見つけるため、僕は脳を働かせる。
今日は十二月四日。そろそろ日付が変わり、五日になる。
彩羽が交通事故で亡くなったのは十二月六日だ。すでに霊魂なのだから、当然過去である昨年に亡くなったものだと思い込んでいた。
そうじゃないのか?
僕は僕自身に問いかける。
九時には部屋の電気を消してベッドに寝転がったものの、今だに眠気は訪れない。当たり前だ。
土曜の夜は夜更かしするのが常なので、僕にとってはまだ起きていてもいい時間だ。
枕元に置いたスマホを一瞥してため息をついた。彩羽はあれ以来沈黙を続けている。ホームボタンを押して液晶を光らせても、そこに彼女の姿はなく、ゲームアプリの四角いアイコンがずらりと並んでいるだけだ。
いつもなら迷わずタップしていたアイコンを見ても、指は動かなかった。
体調が良くないからゲームをする気になれない、という至極当たり前な理由のほかに、言いようのないむなしさが胸の奥に張り付いていた。
死んでいるはずの彩羽が、別に存在していた。
これはどういうことだろう? 彼女の存在に関して納得のいく答えを見つけるため、僕は脳を働かせる。
今日は十二月四日。そろそろ日付が変わり、五日になる。
彩羽が交通事故で亡くなったのは十二月六日だ。すでに霊魂なのだから、当然過去である昨年に亡くなったものだと思い込んでいた。
そうじゃないのか?
僕は僕自身に問いかける。