憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
僕は幼いころから、平凡な日常にちょっとした災害なんかが割り込むイレギュラーにテンションを上げるような子供だった。
大雨の降る夜空を窓の外に眺めては、大雨警報が出ないかと期待したし、どこか遠くで雷が落ちるさまを見ては、わくわくと心を躍らせた。
だからかもしれない。つまらない日常にちょっとした刺激がほしくてその遊びに参加した。
金曜日の放課後。文芸部とは名ばかりの、ただ漫画を読むだけの部活に行こうとした僕に、その誘いはふりかかった。
「なぁ、エイト。いまからタカシと一緒に、“こっくりさん”やるんだけどさ。おまえも参加しないか?」
“こっくりさん”。インターネットに流れる動画配信などでその存在は知っていたし、興味もある。
鳥居や五十音順のひらがななどを書いた紙と十円玉を用いておこなわれる降霊術だ。もともと幽霊の存在なんて信じていなかったけど、友達と盛り上がれる話題のひとつとしてやってみたくなった。
「もちろん。やるやる」。僕は迷いもなく、イエスをだした。
「こっくりさん、こっくりさん。どうぞおいでください。もしおいでになられましたら、“はい”へおすすみください」
大雨の降る夜空を窓の外に眺めては、大雨警報が出ないかと期待したし、どこか遠くで雷が落ちるさまを見ては、わくわくと心を躍らせた。
だからかもしれない。つまらない日常にちょっとした刺激がほしくてその遊びに参加した。
金曜日の放課後。文芸部とは名ばかりの、ただ漫画を読むだけの部活に行こうとした僕に、その誘いはふりかかった。
「なぁ、エイト。いまからタカシと一緒に、“こっくりさん”やるんだけどさ。おまえも参加しないか?」
“こっくりさん”。インターネットに流れる動画配信などでその存在は知っていたし、興味もある。
鳥居や五十音順のひらがななどを書いた紙と十円玉を用いておこなわれる降霊術だ。もともと幽霊の存在なんて信じていなかったけど、友達と盛り上がれる話題のひとつとしてやってみたくなった。
「もちろん。やるやる」。僕は迷いもなく、イエスをだした。
「こっくりさん、こっくりさん。どうぞおいでください。もしおいでになられましたら、“はい”へおすすみください」