憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
彩羽は今どこにいるんだ?
スマホが壊れた今も僕に憑いているのなら心配ないけど、さっきから体が軽いのだ。事故に遭う前までに感じていた重みが、綺麗さっぱり消えている。これはいったいどういうことか。
本来なら喜ぶべきことなのかもしれない。
けれど、忽然と僕の前から消えた彩羽の居所が知れず、僕は不安になった。
「あの……」
傍らより声をかけられて、顔を上げる。さっきまで話していた女子高生のイロハが、僕を見て深々と頭を下げた。
「助けてくれて、ありがとう」
「……いえ」
僕はどこか複雑な気もちで首を振った。目の前の彼女が助かった、ということはあの幽霊女子は無事に成仏できた、そういうことでいいのか?
依然としてしゃがみ込んだままで姉妹を見上げていると、イロハの背後に青白い光の球体が浮かんでいるのが見えた。一瞬のできごとだった。
光の球体はイロハの正面に回り、彼女の胸に吸い込まれるようにして消えた。
今のはいったい……?
スマホが壊れた今も僕に憑いているのなら心配ないけど、さっきから体が軽いのだ。事故に遭う前までに感じていた重みが、綺麗さっぱり消えている。これはいったいどういうことか。
本来なら喜ぶべきことなのかもしれない。
けれど、忽然と僕の前から消えた彩羽の居所が知れず、僕は不安になった。
「あの……」
傍らより声をかけられて、顔を上げる。さっきまで話していた女子高生のイロハが、僕を見て深々と頭を下げた。
「助けてくれて、ありがとう」
「……いえ」
僕はどこか複雑な気もちで首を振った。目の前の彼女が助かった、ということはあの幽霊女子は無事に成仏できた、そういうことでいいのか?
依然としてしゃがみ込んだままで姉妹を見上げていると、イロハの背後に青白い光の球体が浮かんでいるのが見えた。一瞬のできごとだった。
光の球体はイロハの正面に回り、彼女の胸に吸い込まれるようにして消えた。
今のはいったい……?