憑かれた僕が彼女を助けるまでの備忘録
その後。姉妹と別れて、僕は運転手の男性に連れられて病院に向かった。病院まではタクシーに乗った。
彼の赤い乗用車は電気をエネルギー源として走る電気自動車だったらしく、なぜか急に機械系統がおかしくなったのだと言っていた。
彼には申し訳なく思ったが、おそらくそれは彩羽のしわざだろう。そうに違いない。あいつが自動車の電気系統に干渉してエンジンを止めたのだ。
結局のところ、あの姉妹をはじめ、僕の命をも救ったのは、幽霊の彩羽だった。
僕は壊れたスマホを握りしめ、ひびわれた黒い液晶に向かって「ありがとう」とつぶやいた。
それっきり、彩羽とは会っていない。
*
霊体の三島彩羽と過ごしたあの数日間はいったいなんだったのか。僕は、スマホから彩羽が消えたあとも、その問題について頭を悩ませた。
スマホは新しく買い換えたし、お気に入りのゲームアプリもダウンロードした。
しかし、前のようにのめり込んでゲームをする気にはなれなかった。ゲームをやらなさすぎて、禁断症状が出てもおかしくないのに、そうはならなかった。
彼の赤い乗用車は電気をエネルギー源として走る電気自動車だったらしく、なぜか急に機械系統がおかしくなったのだと言っていた。
彼には申し訳なく思ったが、おそらくそれは彩羽のしわざだろう。そうに違いない。あいつが自動車の電気系統に干渉してエンジンを止めたのだ。
結局のところ、あの姉妹をはじめ、僕の命をも救ったのは、幽霊の彩羽だった。
僕は壊れたスマホを握りしめ、ひびわれた黒い液晶に向かって「ありがとう」とつぶやいた。
それっきり、彩羽とは会っていない。
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霊体の三島彩羽と過ごしたあの数日間はいったいなんだったのか。僕は、スマホから彩羽が消えたあとも、その問題について頭を悩ませた。
スマホは新しく買い換えたし、お気に入りのゲームアプリもダウンロードした。
しかし、前のようにのめり込んでゲームをする気にはなれなかった。ゲームをやらなさすぎて、禁断症状が出てもおかしくないのに、そうはならなかった。