知らない君にも私は恋する
俺に気づくと満面の笑みを浮かべてこっちに走ってきた。
「そんな走ってるとこけ...」 ドサッ。
言い終わる前に顔面からこけた。
「大丈夫か⁉」
「大丈夫、大丈夫‼おはよう!今日早いね!なんか用事?」
「俺のことよりまずお前の服とか顔についてる泥の心配しろよ」
「んあ? 本当だ⁉どうしようこれ... とりあえず服は学校で体育着に着替えるとして...」
突然俺の顔をじっと見つめてくる。まさか。
「体育着ないんだろ。」
「よくわかったね~!というわけで貸してくれない?」
「別にいいけど...」
「けど...?」
「明日朝一で部活だから今日の夜までには洗って返せよ?」
「OKOK!」
本当にわかってるんだろうか? 少し不安になったが俺は優香に体育着を手渡した。