雨上がり、また想いだせるように。



「ここは夢に来た人、全員が無料で利用できる食堂だよ」



沢山の机と椅子が並べられ、そこに座っている人達は楽しそうに声を弾ませておしゃべりをしている。


そして、ステンドグラスの窓からは様々な色の光が差し込んでいて綺麗だ。



「雨は何食べたい?」



長方形の機械の前に案内される。


機会には沢山のボタンがついており、スパゲッティや、うどんなど料理の名前が書かれていた。見たところ現実の世界にもある食券機と何の変わりもない。


私はボタンを見る。見てみると、“朝限定 パン定食”というボタンに目がとまった。


人はなぜ、”限定”という言葉に惑わされるのだろう。


私は見た瞬間、



「これ食べたい」



指を指して虹空くんに勢いよく言葉を放った。


単純にパンが食べたいとかそういう理由ではなくて、”限定”という言葉に目が止まったとか虹空くんには子供っぽいと思われるから絶対、言えない……。



「”限定”って何だか良いよね」


「そ、そうだね」



心を読まれたのかと思って一瞬、胸がドキッとして拙い返事になってしまった。

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