雨上がり、また想いだせるように。


でも、間違いだったのかもしれない。


『大好きだよ』、そう言ってくれる彩花。


『手伝ってくれてありがとう』、笑顔で私に伝えてくれるクラスメート。


それは、少なからず本当なのかもしれない。


みんなが私のことを悪く思っているから仲良くできないわけじゃない。私がただ、歩み寄ろうとしなかっただけなんだ。


私をお姉ちゃんと比べて馬鹿にする声があるのは事実でそれは悲しい。いくら努力しても生まれつきのものは変えられなくて。


いつも人の気持ちを自分で悪く決めつけて、いつの間にか疑心暗鬼になっていた。




「ねぇ!虹空くんはどうしてここに連れてきてくれたの?」



大きな声で聞いてみる。


いつもならこんなに大きな声は出ないはずなのに、虹空くんの前だからだろうか。虹空くんにならどんな姿でも見られていいと思う自分がいる。



「だって、雨、出会ったときから笑ってなかったから」


「笑ってなかった?」


「うん。出会った時は泣いてたし、笑ったとき、顔は笑ってるけど心はなんだか寂しそうというか……自分を取り繕うための笑顔に見えた」



“自分を取り繕うための笑顔”、この言葉を聞いた瞬間、今まで自分を守ってきた何かが胸の中で壊れる音がした。


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