雨上がり、また想いだせるように。
夢の想いの中で
✰⋆。:゚・*☽:゚・
「…………あ………雨………雨……」
誰かが私の名前を呼んでいる。
でも、もうちょっとだけ。心地良いからもうちょっとだけ、寝かせて。
「………雨!」
耳元で私の名前を呼ぶ大きな声が聞こえ、目を完全に覚ました。
辺りを見渡すと、確かに、耳元で呼ばれたはずなのに、私の周りには人が居ない。その代わりに薄い霧がかかっていた。
あぁ、私は夢の世界でも夢を見ているんだ。
初めてここに来たときは、とても怖かったのを覚えている。でも、今ならここがどこか分かるし、前よりも霧が濃くない。少し先も見えるくらいだ。
この夢に何があるのか。足を出して、歩こうとした時、頭上の方から声が聞こえた。
「久しぶりだね、雨」
この声は、以前会った全身が黒に包まれている男の人。誰もどこにも居ないのに。この人はやっぱり神様なんだろうか?
「お久しぶりです。……あなたは何者なんですか?」
この際だからはっきりと聞こうと問いかける。