雨上がり、また想いだせるように。
虹空くんの姿を見たとき、「えっ……?」と思わず声が出てしまった。
なぜなら、虹空くんは私と同じ制服を着ていたからだ。
虹空くんと私は同い年で、しかも同じ学校に通っていた。
もし、虹空くんが私のことを夢の世界で会う前に知っていたとしたら……
『なんとなくだけど、僕と同い年な気がする』
この発言も納得出来る気がする。
『虹空くん、はじめまして。お母さんとお付き合いさせてもらってる浅見です』
私は浅見さんを見る。第一印象は“お金持ち”だった。
明らかに高そうなスーツ。浅見さんが持っているカバンには有名なブランドのロゴがついている。庶民が到底手に入れることの出来ないカバンだ。
『……こんにちは』
初対面なのだろう、虹空くんは凄く動揺している。
『こーくん、驚かせてごめんなさい。でも、私は浅見さんを心から愛してて、結婚しようと思ってるの。だから、今日はこーくんに認めてもらうために二人で帰ってきたの』
お母さんは浅見さんと腕を組んで離そうとはしない。顔を見合わせて笑ったり、『大丈夫』と、腕を組んでいない方の手で手も握り合っている。
こんなのを見せつけられちゃ、駄目とも言えないだろう。
虹空くんはその姿を見て、安心したような笑みを浮かべた。
『もちろん、ママが幸せなら、僕は大賛成だよ。ママ、浅見さん、おめでとう』