雨上がり、また想いだせるように。
陶芸教室から帰ったあと、私はお母さんに怒られた。
「ご、ごごめんなさい」
泣きじゃくりながらお姉ちゃんに謝るとお姉ちゃんは、
「大丈夫だよ」
そう言って私の頭を笑顔でなでた。
お姉ちゃんが一生懸命作ったコップを一時(いっとき)の感情によって壊してしまったのに、私を許したお姉ちゃんの温かさにもっと泣いてしまった。
そして、私はお姉ちゃんを憎むことは少なくなっていった。
「雨ちゃんと晴ちゃんって名前通り真逆だよね」
親戚の人、友達にも言われ、何度も何度も憎んだ。
その度にお姉ちゃんは『大丈夫だよ、大丈夫だよ』と繰り返し私の背中を撫でてくれる。
私はそんなお姉ちゃんが大好きになった。
でも、私が中学三年生でお姉ちゃんが高校一年生になった頃、落ち着いていた関係が崩れ始めた。