黒幌に呑み込まれる
知る
最近の真幌が、おかしい━━━━━
夜中に目が覚めると、家にいない時があるのだ。
最初は慌てたように電話をかけていたが、真幌に“一人にしてごめんね。ちょっと親父に呼ばれて”と言われ、最近は戻ってくるのをひたすら待っている神楽。
でも、なんだかおかしいのだ。
夜中に実家に呼ばれることが、こんな頻繁にあるのだろうか?
一度“お父さん、病気とかなの?”と聞いてみたことがある。
それなら、頻繁に顔を出すのはわかるから。
でも……“ん?元気だよ!”と返事が返ってきた。
“まさか!浮気!!?”
「━━━━━って……んなわけないない!」
「何言ってんの?」
書類のコピーを取りながら独り言を呟いていた神楽に、久我が怪訝そうに声をかけてきた。
「あ、す、すみません!」
「これ、会議室に持っていってて」
「あ、はい!」
慌てて、資料を受け取り会議室に向かう。
会議の準備をしていると、久我が入ってきた。
「え?先輩、どうし━━━━━」
ガン!!!とテーブルを殴る、久我。
「ねぇ!!
貴女、黒部くんと付き合ってるってほんと?」
「え?あ、はい」
「はぁぁ!!?あり得ないんだけど!!」
(あり得ないって言われてもな…)
「黒部くんまで……
あんた、私に恨みでもあんの?」
「え?え?そんなこと、ありません!」
「だって、岸野くんとも付き合ってたんでしょ!?」
「え……付き合ってませんけど……」
「は?
だって、去年まで二人でよく話してたじゃない!?
ランチもよく二人で行ってたし」
「え?それは同期だったし、岸野さんが気遣ってくれててよく声をかけてくれてただけです。
ランチも二人で行ったことありましたが、一・二回です。
それに岸野さんの彼女さんは、この会社の方じゃないですよ。
ランチはいつも、その彼女さんと食べるって言ってたから。
私と食べた時は、彼女さんが忙しくて一緒に食べれないからってことで、誘われただけです」
「え……」
久我は、心底驚愕したような顔をしていた。
「あ、あの…せ、先輩……?」
「……っ…/////」
久我はバツが悪くなり、顔を真っ赤にしてヒールの音を鳴らし会議室を出ていったのだった。
バン!とドアが閉まり、神楽はホッと息をついた。
「なんだったの……」
思わず、椅子にへたりこむように座る。
するとまた、ドアがバン!と開いた。
「え……!!?
あ…ま、真幌…」
「神楽!?大丈夫!?」
「良かった…」
思わず神楽は、真幌に抱きついたのだった。
夜中に目が覚めると、家にいない時があるのだ。
最初は慌てたように電話をかけていたが、真幌に“一人にしてごめんね。ちょっと親父に呼ばれて”と言われ、最近は戻ってくるのをひたすら待っている神楽。
でも、なんだかおかしいのだ。
夜中に実家に呼ばれることが、こんな頻繁にあるのだろうか?
一度“お父さん、病気とかなの?”と聞いてみたことがある。
それなら、頻繁に顔を出すのはわかるから。
でも……“ん?元気だよ!”と返事が返ってきた。
“まさか!浮気!!?”
「━━━━━って……んなわけないない!」
「何言ってんの?」
書類のコピーを取りながら独り言を呟いていた神楽に、久我が怪訝そうに声をかけてきた。
「あ、す、すみません!」
「これ、会議室に持っていってて」
「あ、はい!」
慌てて、資料を受け取り会議室に向かう。
会議の準備をしていると、久我が入ってきた。
「え?先輩、どうし━━━━━」
ガン!!!とテーブルを殴る、久我。
「ねぇ!!
貴女、黒部くんと付き合ってるってほんと?」
「え?あ、はい」
「はぁぁ!!?あり得ないんだけど!!」
(あり得ないって言われてもな…)
「黒部くんまで……
あんた、私に恨みでもあんの?」
「え?え?そんなこと、ありません!」
「だって、岸野くんとも付き合ってたんでしょ!?」
「え……付き合ってませんけど……」
「は?
だって、去年まで二人でよく話してたじゃない!?
ランチもよく二人で行ってたし」
「え?それは同期だったし、岸野さんが気遣ってくれててよく声をかけてくれてただけです。
ランチも二人で行ったことありましたが、一・二回です。
それに岸野さんの彼女さんは、この会社の方じゃないですよ。
ランチはいつも、その彼女さんと食べるって言ってたから。
私と食べた時は、彼女さんが忙しくて一緒に食べれないからってことで、誘われただけです」
「え……」
久我は、心底驚愕したような顔をしていた。
「あ、あの…せ、先輩……?」
「……っ…/////」
久我はバツが悪くなり、顔を真っ赤にしてヒールの音を鳴らし会議室を出ていったのだった。
バン!とドアが閉まり、神楽はホッと息をついた。
「なんだったの……」
思わず、椅子にへたりこむように座る。
するとまた、ドアがバン!と開いた。
「え……!!?
あ…ま、真幌…」
「神楽!?大丈夫!?」
「良かった…」
思わず神楽は、真幌に抱きついたのだった。