黒幌に呑み込まれる
「え?」
「もう一回、言ってください」
前髪の奥から、鋭く見つめてくる真幌。
囚われたように、動けない。
「前に風に揺れて、黒部くんの前髪がふわって上がった時に、顔が見えたの。
その時……」
「そん時?」
「か、カッコいいなって/////」
「へぇー!俺のこと、そんな風に思っててくれたんだ!」
嬉しそうに言った、真幌。
いつもの真幌ではない。
いつもの真幌は、暗くて、いつもおどおどしているのだ。
しかし今の真幌は、しっかり神楽を捉え見つめている。
「あ、あの…////黒部く…近い…よ…」
「ごめんね!
…………ねぇ…カッコいいって思ってくれてるってことは、俺のこと好き?」
「え?」
「俺は麦倉先輩のこと、好きですよ!」
「え?え?え?」
「ほんと、可愛いですね~
返事は後日でいいから、聞かせてください!
フフ…
麦倉先輩がそう言ってくれるなら、もう…いいか!」
真幌は一人で納得したように言い、神楽の残業を手伝い出した。
びっくりする程に器用にこなし、あっという間に終わらせたのだ。
今までの“黒部 真幌”は、別人だったのかとでもいうように━━━━━
その後、送ると言われ家の前まで送ってくれた真幌。
「じゃあ、麦倉先輩。
また明日!
できれば、明日返事ほしいです」
「あ、うん…」
小さく頷くと、真幌は嬉しそうに神楽の頭をポンポンと撫でた。
「…………黒部くんだよね?あれ」
あまりにも“いつもの”真幌とかけ離れていて、神楽はしばらくその場に立ち尽くしていた。
そして真幌は、神楽を送り角を曲がると一台の高級車の方へ向かった。
運転席から、男が出てきて後部座席を開けた。
「真幌様、お疲れ様です」
「全く、疲れてねぇよ。
寧ろ、元気になった!
やっと、神楽が手に入る」
そう言って乗り込み、前髪をかき上げた。
「理苑、後から髪切って!」
「もう、いいんですか?」
「うん。
もう、隠す必要なさそうだし。
仕事も“普通通り”やる。
あー、長かった!
キモウザ男を演じるの」
理苑と言われた男。
真幌の忠実な、右腕のような男だ。
もちろん、黒幌の幹部だ。
「わかりました」
「まぁ、先に裏切り者を始末するか!」
そう言って真幌は裏切り者を始末し“あの”メッセージを確認したのだ。
「もう一回、言ってください」
前髪の奥から、鋭く見つめてくる真幌。
囚われたように、動けない。
「前に風に揺れて、黒部くんの前髪がふわって上がった時に、顔が見えたの。
その時……」
「そん時?」
「か、カッコいいなって/////」
「へぇー!俺のこと、そんな風に思っててくれたんだ!」
嬉しそうに言った、真幌。
いつもの真幌ではない。
いつもの真幌は、暗くて、いつもおどおどしているのだ。
しかし今の真幌は、しっかり神楽を捉え見つめている。
「あ、あの…////黒部く…近い…よ…」
「ごめんね!
…………ねぇ…カッコいいって思ってくれてるってことは、俺のこと好き?」
「え?」
「俺は麦倉先輩のこと、好きですよ!」
「え?え?え?」
「ほんと、可愛いですね~
返事は後日でいいから、聞かせてください!
フフ…
麦倉先輩がそう言ってくれるなら、もう…いいか!」
真幌は一人で納得したように言い、神楽の残業を手伝い出した。
びっくりする程に器用にこなし、あっという間に終わらせたのだ。
今までの“黒部 真幌”は、別人だったのかとでもいうように━━━━━
その後、送ると言われ家の前まで送ってくれた真幌。
「じゃあ、麦倉先輩。
また明日!
できれば、明日返事ほしいです」
「あ、うん…」
小さく頷くと、真幌は嬉しそうに神楽の頭をポンポンと撫でた。
「…………黒部くんだよね?あれ」
あまりにも“いつもの”真幌とかけ離れていて、神楽はしばらくその場に立ち尽くしていた。
そして真幌は、神楽を送り角を曲がると一台の高級車の方へ向かった。
運転席から、男が出てきて後部座席を開けた。
「真幌様、お疲れ様です」
「全く、疲れてねぇよ。
寧ろ、元気になった!
やっと、神楽が手に入る」
そう言って乗り込み、前髪をかき上げた。
「理苑、後から髪切って!」
「もう、いいんですか?」
「うん。
もう、隠す必要なさそうだし。
仕事も“普通通り”やる。
あー、長かった!
キモウザ男を演じるの」
理苑と言われた男。
真幌の忠実な、右腕のような男だ。
もちろん、黒幌の幹部だ。
「わかりました」
「まぁ、先に裏切り者を始末するか!」
そう言って真幌は裏切り者を始末し“あの”メッセージを確認したのだ。