黒幌に呑み込まれる
「黒部くん!
お金!!」
レストランで食事後、やっぱり真幌が払い、神楽は万札を真幌に渡そうとしていた。

「だから!いりません!」

「でも、お昼も奢ってもらったし!
私の方が、給料もらってるんだし……」

「それは関係ないし、カッコつけさせてくださいよ!」
「黒部くん…
じゃあ…ありがとう!
今度は、奢らせてね!」

「うーん。
俺、先輩には金出させるつもりないし……」
「そんなことしなくても、黒部くんはとってもカッコいいよ?」

「え!?
何、その嬉しい言葉!
もう一回聞きたいです!」

「カッコいいよ…/////」
「ヤバ…/////可愛すぎ////」
思わず、神楽の頬に触れる。

「え?黒部くん?」
「先輩……マジで、好き……」

「黒部く…/////」

「…………それよりも…もういいですよね?
返事、聞かせてください」

そして、神楽の口唇をなぞる。

「………/////
私も、す////好きだよ…////」


「じゃあ…俺の恋人になってくれる?」


「うん…////」
「フフ…嬉しいなぁー!
じゃあ“神楽”って呼んでいい?
会社では、ちゃんと敬語で“麦倉先輩”って呼ぶから」

「うん。いいよ」
「じゃあ、神楽も“真幌”って呼んで?」

「ま、真幌…」
「………ほんっと、可愛すぎ!
あーどうしよう。
このまま、離れたくない!
ねぇねぇ!神楽の家行きたい!」

「いいよ。
━━━━あ!やっぱ、ダメ!!」

「えー!なんでぇ?」

「家の中、泥棒が入った後みたいになってるの。
そんなとこ、見られたくない」

「フッ…!気にしなくていいのに…!
どんな神楽でも、好きは変わらないよ?」

「でも、やっぱり恥ずかしいから…」

「フフ…わかった!でも、まだ離れたくないから……俺の家は?」
「え?黒部くんの?」

「あー!真幌って呼んでって言ったでしょ!」
「あ…真幌のお家?」
「うん!」

「行って…みたいな…!」


そして町外れの、大きな屋敷の前━━━━━━

「真幌、ご実家から通ってるの?仕事」
「ううん。実家はここじゃないよ」
「え!?じゃあ、この大きな屋敷に一人で住んでるの?」
「うん」

「真幌は、お金持ちさん?」

「祖父がね。
資産家なんだ」
「そうなんだ!」

「入ろ?」

「あ、うん!
お邪魔します!」
室内も、とても広く高級感漂っていた。
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