熱く甘く溶かして
恭介のキスが好き。私の中を探るように動く舌の感触も全てが好き。
「怖くなったらすぐに言えよ……」
「うん……大丈夫だから……もっと恭介が欲しい……」
智絵里の言葉でスイッチが入ったのか、恭介の動きがいつも以上に激しくなる。
「……今日は智絵里に新しいことを教えてあげるよ……」
「えっ……あっ……ん……」
恭介は智絵里のロングスカートの中に入り込むと、今まで知らなかった新しい快楽の世界へと誘う。彼の舌の動きに智絵里は腰を抜かし、智絵里はそのまま床にへたり込んだ。智絵里は呼吸が荒くなり、目を閉じたまま意識が飛びそうになる。
「智絵里、ちょっと待ってて……」
恭介が智絵里のそばから離れて数十秒。恭介が智絵里の足の間に身を滑らせて入り込む。そっと目を開けた智絵里は、驚きのあまり目を見開いた。
「きょ、恭介⁈ その格好……!」
恭介が高校の制服のブレザーと青いネクタイを身につけて、智絵里のことをニヤニヤしながら見下ろしている。
「家にあったの持ってきた。なんか高校時代に戻った気がしない?」
智絵里の心臓は早鐘のように打ち続ける。たった一瞬であの頃に戻されたような気持ちになる。
「智絵里?」
「……おかしいな……恭介ってこんなにカッコよかったっけ……」
それを聞いた恭介が嬉しそうにキスをすると、智絵里の中に指を滑り込ませる。
「もっと言ってよ……智絵里の口から聞きたい……」
恭介によって与えられる喜びを感じながら、智絵里はうっとりと目を閉じる。
「あの頃どうして気付かなかったのかな……それとも友達だからそう考えないようにしたのかもしれない……」
恭介の顔を引き寄せ、智絵里は自分からキスを繰り返す。そしてそっと彼の眼鏡を外すと、目の前に現れたあの頃と変わらない素顔にドキドキが止まらなくなる。
「……智絵里、今ちょっと興奮しただろ」
「……うるさいな……そういうところは高校時代と変わらないんだから」
「どう? 眼鏡外した俺」
「高校の時のままのクソガキ」
「おい……」
「でもカッコよくて好きが止まらなくなる……」
恭介は智絵里の手から眼鏡を取り上げると、カバンの中に投げ込む。
「……なくても見えるの?」
「近くならね……大丈夫、智絵里のそばから離れる気はないから」
智絵里が恭介の首に腕を回した瞬間、我慢できなくなり彼女の中に身を滑り込ませる。
「智絵里……愛してるよ……」
まるで高校生の恭介に抱かれてるみたい。もしあの頃に恋に落ちたら、こんな日を迎えてた可能性だってある。
恭介のこと、あの頃に好きになっていたら違った未来があったのかもしれない。
でもそれは、もしもの話。今だから恭介がこんなにも恋しいの。大人になってからの恋が、私たちにはちょうど良い。