熱く甘く溶かして

 唇を離し、腰を抜かしそうな智絵里の体を支える。

「俺にはワガママでもなんでも言っていいんだよ」

 智絵里は頬を赤くして恭介を見つめると、自ら恭介にキスをする。

「恭介が欲しい……私だけの恭介になって……」
「大丈夫。言われなくても、もうなってるから」
「私も……恭介のものになりたいの……。恭介としたい……」

 息が止まるかと思った。智絵里から俺を求めてくれた。それだけでこんなに幸せな気持ちになる。

 智絵里の体を抱き上げ、ベッドに横たえる。キスのせいで上気した表情の裏に、不安も読み取れる。きっと智絵里の中で葛藤があるのかもしれない。

「嫌なら途中でやめるから。行けるところまで行ってみようか……」
「……うん……」

 恭介は智絵里の服を脱がせ、恥ずかしそうに隠そうとする智絵里の手をそっとどかす。

「キレイだからちゃんと見せて」

 智絵里の体の隅々まで唇を這わせる。震える彼女の体を抱きしめ、何度もキスをした。舌を絡め、彼女の弱点を攻め立てる。

「どうしようか……一度このまま気持ち良くなってみる……?」
「……挿れないってこと……?」
「まだちょっと怖いだろ? 挿れなくても気持ち良くなれるし……」
「恭介はそれで大丈夫なの……?」

 智絵里の言葉に返事はせずに恭介はただ微笑んだ。ゆっくり動き始めると、そのまま智絵里の上に倒れ込んだ。
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