熱く甘く溶かして
* * * *

 智絵里が目を覚ますと、すぐ隣に恭介の寝顔があった。寝息を立てて眠る彼が愛しくて、そっと頬を撫でる。

 まだ少し体の痛みはあるけど、それと同時に恭介が与えてくれるどうしようもないほどの甘美な快楽の中で、何度も何度も愛しあったことが蘇る。

 耳に響く恭介の息遣いと、愛してるという囁き。私は頭も体もトロトロに溶かされて、全身で幸せを感じた。

 その時、恭介の手が智絵里の体を撫でていく。

「おはよう、智絵里」
「おはよう……ん……だめだって……これから仕事……」
「まだ時間あるし、もう一回しとこうか?」
「もうっ……一回だけだからね……」

 恭介と繋がりたい。もっとそばにいたい。私は彼の手で愛される喜びを知ったの。
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