熱く甘く溶かして
ホテルに着くと、部屋からの眺望に智絵里は感嘆の声を上げた。窓の外には露天風呂が付いており、眼下に青い海が広がる。
「すごい……」
水面に太陽が反射してキラキラと光る様を、智絵里は目を細めて見つめていた。
恭介は荷物を置きながら、窓に面して置かれたベッドに座り込む。
「運転ありがとう。疲れた?」
「まぁ久しぶりの長距離だったから少しね」
恭介は立ち上がると、智絵里を後ろから彼女を抱きしめる。
「なんか珍しく浮かれてない? こういうホテル初めて?」
「……ホテルもだけど、旅行とか社会人になってからほとんどしてなかったし……それに……」
「それに?」
「……男の人と二人なんて初めてだから緊張する……」
智絵里の声が徐々にか細くなっていく。
「いつも一緒にいるのに?」
「場所が違うだけでちょっと……雰囲気のせいかな……」
「まぁ確かに。一緒に住んでるとホテルに行くなんて発想ないもんな」
「……なんか今、違うホテルの話してたよね」
智絵里は恭介の手を振り払うと、不機嫌そうに背を向けてベッドに座り込んだ。突然のことに驚いて、恭介は智絵里の隣に腰を下ろした。
「智絵里?」
「……気にしないで。私が勝手にイライラしてるだけ。恭介にじゃないから……」
「じゃあ何にイライラしてるのか教えてよ」
しばらく黙ってから、智絵里は恭介の肩に寄りかかる。
「……面倒くさい女とか思わない?」
「大丈夫。智絵里が面倒くさいっていうのは慣れてるし」
「……何それ、さらっと肯定されてるんだけど」
「気にしなくていいってこと。そんな部分も含めて愛してるんだから」
そこまで言われたら、もう言うしかないじゃない。
「気にしないようにしてるんだけどね……日比野さんにも気にするなって言われたんだけど……。恭介が今までどのくらいの人と付き合ってきたのかなとか……さっきの会話だって、きっといろんな人とホテルとかも行ったんだろうな……とか気になっちゃったりして……」
その途端、智絵里の体はベッドの上に押し倒される。恭介は不敵な笑みを浮かべて、智絵里を見下ろしている。
「すごい……」
水面に太陽が反射してキラキラと光る様を、智絵里は目を細めて見つめていた。
恭介は荷物を置きながら、窓に面して置かれたベッドに座り込む。
「運転ありがとう。疲れた?」
「まぁ久しぶりの長距離だったから少しね」
恭介は立ち上がると、智絵里を後ろから彼女を抱きしめる。
「なんか珍しく浮かれてない? こういうホテル初めて?」
「……ホテルもだけど、旅行とか社会人になってからほとんどしてなかったし……それに……」
「それに?」
「……男の人と二人なんて初めてだから緊張する……」
智絵里の声が徐々にか細くなっていく。
「いつも一緒にいるのに?」
「場所が違うだけでちょっと……雰囲気のせいかな……」
「まぁ確かに。一緒に住んでるとホテルに行くなんて発想ないもんな」
「……なんか今、違うホテルの話してたよね」
智絵里は恭介の手を振り払うと、不機嫌そうに背を向けてベッドに座り込んだ。突然のことに驚いて、恭介は智絵里の隣に腰を下ろした。
「智絵里?」
「……気にしないで。私が勝手にイライラしてるだけ。恭介にじゃないから……」
「じゃあ何にイライラしてるのか教えてよ」
しばらく黙ってから、智絵里は恭介の肩に寄りかかる。
「……面倒くさい女とか思わない?」
「大丈夫。智絵里が面倒くさいっていうのは慣れてるし」
「……何それ、さらっと肯定されてるんだけど」
「気にしなくていいってこと。そんな部分も含めて愛してるんだから」
そこまで言われたら、もう言うしかないじゃない。
「気にしないようにしてるんだけどね……日比野さんにも気にするなって言われたんだけど……。恭介が今までどのくらいの人と付き合ってきたのかなとか……さっきの会話だって、きっといろんな人とホテルとかも行ったんだろうな……とか気になっちゃったりして……」
その途端、智絵里の体はベッドの上に押し倒される。恭介は不敵な笑みを浮かべて、智絵里を見下ろしている。