熱く甘く溶かして
「でも高二になって、一花のことがあって、恭介の本性を知ったら、恋愛のものとは違うけど、すごく好きになったよ……」
恭介は智絵里の上に覆い被さり、キスを繰り返す。
「恭介?」
「他にも気になってた奴っていたの?」
「……内緒」
内緒? それって他にもいたっていう肯定じゃないのか? なんだかムカムカしてくる。あぁ、これがヤキモチってやつなのか。
恭介はゆっくり首元から胸まで唇を滑らせる。智絵里の敏感な部分を口に含み、舌を這わせる。
「やだっ……恭介ってば……」
「教えてよ。他にいたの?」
「……生徒では恭介だけよ……」
《《生徒では》》。その言葉には、違う意味も含まれていることに気付き、恭介は自分の不甲斐なさを実感した。
「……タイムマシーンが欲しい……」
「あはは! 何その発想!」
智絵里の胸に顔を埋めて呟いた。
「昔に戻って、智絵里に好きって言いたい。友達になるより前に恋人になりたい……」
先ほどの智絵里の発言で、恭介は裏の意味を感じ取ったのだろう。智絵里には恭介が言おうとしていることがわかった気がした。
私があいつを好きになる前に戻りたい。恋人になって私のことを守りたい。そう思ってくれたんだろうな……。恭介の優しさが私を温かく包んでくれる。
「……前にも言ったけど、友達から入ったから今があるんでしょ? あの頃の私たちじゃ、お互い本性を隠して、付き合っても上手くいかなかったかもしれないよ」
「……」
「でも恭介、さっき言ってくれたじゃない。私の初めては全部恭介なんでしょ? あっ、そう考えたら、私の学生生活で初めてときめいたのは恭介ってことになるんじゃない? 本当に初めては全部恭介になってるね」
智絵里は恭介を抱きしめる。
「私の初めてが恭介で、すごく嬉しいよ……」
恭介も力いっぱい智絵里を抱きしめる。
「愛してるよ……智絵里……」
「うふふ、知ってる……私も愛してる……」
「うん、俺も知ってる……」
何度愛し合っても、もっと求めてしまう。友情も心地良かった。でも愛情の方がもっとしっくりくる。