木苺 ~甘酸っぱいもの~
「親があんなんだったからね~、舞雪はわたしの子どもみたいなものよ」

「ありがとう…、茉白ちゃん」

「でも信じられないな~、独身って。
だって舞雪、既婚者にしか魅力を感じないって言ってたじゃない?」

「それは高1の頃ね。
今、3年だよ、茉白ちゃん」

「…わかった。
舞雪、信じるからね?」

「うん、信じてよ」

久しぶりに会った舞雪は幸せそうだ。

舞雪の言った通り、あの発言は高校1年生の時だ。

今は違うと思いたい…。


‐「ゆき、ねーちゃん、帰った?」

「帰ったよ、篠田(しのだ)さん」

舞雪は笑う。

「ちょろかったな~、茉白ちゃん」

「お~お~、怖い妹」

篠田は肩をすくめる。
< 11 / 26 >

この作品をシェア

pagetop