秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
 ほっとした様子の大雅は、素早く準備をすると再び私に覆いかぶさってきた。そのまま互いの額をつけて、至近距離から見つめられる。

「千香、君だけなんだ。愛してる」

 熱いまなざしに訴えられて、応えるように彼の頬にそっと手を添えた。

「私も、大雅だけ。愛してる」

 そっと口づけると、大雅はゆっくりと私の中へ入ってきた。

「痛くない?」

 緊張で体を強張らせた私を労わるように、優しく尋ねられる。

「だ、大丈夫」

 違和感はあるものの、痛みはほぼ感じない。
 逆に慎重すぎる大雅がどこかじれったくて、強請るように腕を伸ばして彼を引き寄せると、ぎゅっと抱きしめ返された。

「はあ……やっとひとつになれた」

 わずかに体を起こして幸せそうに微笑む大雅に、胸が締めつけられる。
 もう一度彼の首に腕を回して引き寄せると、想いを伝えるように私から口づけた。一瞬驚いた顔をした大雅も、すぐさまそれに応えてくれる。
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