秘密のベビーのはずが、溺甘パパになった御曹司に一途愛で包まれています
 体を起こした大雅に気づいて閉じていた瞼をそっと開けると、まとっている服を脱ぐ姿が視界に入る。鍛えているのか、程よく引き締まった裸身に視線が釘付けになる。

「いい?」

 いくつかのやりとりをしている間に準備を整えた大雅が、再び覆いかぶさってくる。熱いまなざしで許可を求められ、頬を赤らめながら小さくうなずき返した。

 さっと口づけをした後に、大雅がゆっくりと私の中に入ってくる。いよいよかと、ぎゅっと瞼を閉じた。

「うっ……」

「大丈夫?」

 初めての痛みに、たまらずうめき声がもれる。
 でもここでやめてほしくなくて、こくこくとうなずく。

「ごめんね、痛いよな」

 彼の背中に腕を回して縋りつけば、すかさず抱きしめ返してくれた。互いの素肌が触れ合う心地よさに、強張っていた体からわずかに力が抜ける。

「はぁ」

 しばらくして聞こえてきた彼の艶めかしい吐息にそっと目を開ければ、笑みを浮かべて私を見つめる大雅がいた。

「よく頑張った」

 髪をなでながら額に頬に口づけられて、くすぐったさに肩を竦める。
 次第に痛みが引いていくと、この人とひとつになれたのだと実感が強くなる。互いの体温を感じながら、しばらく幸福感に浸った。
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