あなたの落とした願いごと
そう悟った私はその場に立ったまま、宮司さんと対峙している滝口君を遠くから見守る事しか出来なかった。
そのまま、何分が経っただろうか。
滝口君と宮司さんは相変わらず何かを話していて、けれど、彼らの声は段々と大きく感情的になっているのが分かった。
2人は私が居る事に気付いていないみたいで、盗み見をしているみたいで申し訳ないけれど、何せ私も怖くてここから動けないんだ。
心の中で謝罪をしつつ、邪魔にならないように彼らを眺める。
と、次の瞬間。
「……────」
宮司さんが声を荒らげ、滝口君にある台詞を言い放った。
宮司さんの言葉は信じられないもので、
(それって、…どういう事…?)
私は、自分の耳を疑った。
滝口君の手から狐のお面が滑り落ち、地面に音もなく落下する。
宮司さんは見せしめのようにそのお面を踏みつけ、滝口君の横を通って歩き去る。
そんな彼の言葉を頭の中で処理出来ない私は、あんぐりと口を開けたまま。
その場に残されたのは私達2人と、真っ二つに割れたお揃いのお面だけ。
バァンッ……
その瞬間、幸か不幸か、私の背後で最初の花火が打ち上がった。
滝口君と見るはずだった花火の光に照らされるその顔は、相変わらず何の表情も含んでいない。
けれど、きっと彼は“呆然と”した表情をしていたのではないかと思う。
そのまま、何分が経っただろうか。
滝口君と宮司さんは相変わらず何かを話していて、けれど、彼らの声は段々と大きく感情的になっているのが分かった。
2人は私が居る事に気付いていないみたいで、盗み見をしているみたいで申し訳ないけれど、何せ私も怖くてここから動けないんだ。
心の中で謝罪をしつつ、邪魔にならないように彼らを眺める。
と、次の瞬間。
「……────」
宮司さんが声を荒らげ、滝口君にある台詞を言い放った。
宮司さんの言葉は信じられないもので、
(それって、…どういう事…?)
私は、自分の耳を疑った。
滝口君の手から狐のお面が滑り落ち、地面に音もなく落下する。
宮司さんは見せしめのようにそのお面を踏みつけ、滝口君の横を通って歩き去る。
そんな彼の言葉を頭の中で処理出来ない私は、あんぐりと口を開けたまま。
その場に残されたのは私達2人と、真っ二つに割れたお揃いのお面だけ。
バァンッ……
その瞬間、幸か不幸か、私の背後で最初の花火が打ち上がった。
滝口君と見るはずだった花火の光に照らされるその顔は、相変わらず何の表情も含んでいない。
けれど、きっと彼は“呆然と”した表情をしていたのではないかと思う。