あなたの落とした願いごと
短期間で二回も願いごとの内容を変えて良いのか分からないけれど、三度目の正直という言葉もある、と自分に言い聞かせて。
滝口君と仲良く参拝して、宮司さんとの鬼ごっこみたいなスリルを味わいながら神社を後にして。
彼は父親と話し合いを試みているみたいだけれど、彼の言葉少ない話を聞く限りは上手くいっていないみたいだった。
一昨日なんて夜遅くまで揉めたらしく、彼の目の下には相貌失認症の私でも分かる程の酷いクマが出来ていた。
でも、大好きな彼が“大丈夫”と言う限り、その願いを叶える為に行動している限り、私には彼を精一杯支える義務があると思う。
(もしかしたら、今日も揉めてるのかも…)
今朝、文化祭当日だからと神社に参拝に行かなかった事が今更ながらに悔やまれる。
うーん、と、首を回しながら声にならない声を出すと、
「沙羅!もう文化祭始まったよ!」
興奮気味のエナに、勢い良く肩を叩かれた。
「え?」
驚いて辺りを見渡すと、
「3年のお化け屋敷行かない?」
「1年の男女交換カフェ気になるー」
なんて、教室に集まっていたクラスメイト達が続々と廊下へ向かっていた。
「沙羅も行ってきなよ!うちは空良の本番を録画してって頼まれてるから、沙羅1人になっちゃうけど…」
本当はあの完璧主義野郎と2人で行かせたかったんだけどね、と、瞬時に声を潜めたエナの声が真っ黒で恐ろしい。
滝口君と仲良く参拝して、宮司さんとの鬼ごっこみたいなスリルを味わいながら神社を後にして。
彼は父親と話し合いを試みているみたいだけれど、彼の言葉少ない話を聞く限りは上手くいっていないみたいだった。
一昨日なんて夜遅くまで揉めたらしく、彼の目の下には相貌失認症の私でも分かる程の酷いクマが出来ていた。
でも、大好きな彼が“大丈夫”と言う限り、その願いを叶える為に行動している限り、私には彼を精一杯支える義務があると思う。
(もしかしたら、今日も揉めてるのかも…)
今朝、文化祭当日だからと神社に参拝に行かなかった事が今更ながらに悔やまれる。
うーん、と、首を回しながら声にならない声を出すと、
「沙羅!もう文化祭始まったよ!」
興奮気味のエナに、勢い良く肩を叩かれた。
「え?」
驚いて辺りを見渡すと、
「3年のお化け屋敷行かない?」
「1年の男女交換カフェ気になるー」
なんて、教室に集まっていたクラスメイト達が続々と廊下へ向かっていた。
「沙羅も行ってきなよ!うちは空良の本番を録画してって頼まれてるから、沙羅1人になっちゃうけど…」
本当はあの完璧主義野郎と2人で行かせたかったんだけどね、と、瞬時に声を潜めたエナの声が真っ黒で恐ろしい。