あなたの落とした願いごと
そうして、話題はいつしか社会科見学中に訪れたい場所に変わっていって。
「やっぱり神社か寺は外せないよね?日本史を学ぶなら神を祀る所は大切だよ」
「俺、抹茶味の団子食べたいなぁ」
前の席では、エナと空良君がまたもや思い思いの案を出しているものの。
彼らは何も調べずにそれを言っているから、果たして大江戸町に神社や寺があるのか、抹茶味の団子が売っているのかすら定かではない。
「お前は?何かないの?」
そんな2人を見て盛大に溜め息をついた滝口君が、スマホで大江戸町のお勧めスポットを検索していた私に再び声を掛けてきてくれた。
「んーとね、」
班長として班をまとめる立場にある彼にしてみれば、私だけが唯一真面目に調べものをしている班員なんだろうな。
普段は有り得ないのに滝口君の方から声を掛けてきてくれた事が嬉しくて、にやけそうになるのを慌てて手で隠す。
「私、此処のお饅頭屋さん行ってみたいかも。近くにコスプレしたお侍さんに会えるスポットがあるらしくて、記念写真撮ってもらえるんだって」
そして何とか平静を保った私は、自分のスマホの画面を3人に見せながら答えた。
でも正直に言うと、私は写真を撮られる事が好きではない。
だって、写真を撮られたところでその完成度を自分の目では確かめられないから。
「やっぱり神社か寺は外せないよね?日本史を学ぶなら神を祀る所は大切だよ」
「俺、抹茶味の団子食べたいなぁ」
前の席では、エナと空良君がまたもや思い思いの案を出しているものの。
彼らは何も調べずにそれを言っているから、果たして大江戸町に神社や寺があるのか、抹茶味の団子が売っているのかすら定かではない。
「お前は?何かないの?」
そんな2人を見て盛大に溜め息をついた滝口君が、スマホで大江戸町のお勧めスポットを検索していた私に再び声を掛けてきてくれた。
「んーとね、」
班長として班をまとめる立場にある彼にしてみれば、私だけが唯一真面目に調べものをしている班員なんだろうな。
普段は有り得ないのに滝口君の方から声を掛けてきてくれた事が嬉しくて、にやけそうになるのを慌てて手で隠す。
「私、此処のお饅頭屋さん行ってみたいかも。近くにコスプレしたお侍さんに会えるスポットがあるらしくて、記念写真撮ってもらえるんだって」
そして何とか平静を保った私は、自分のスマホの画面を3人に見せながら答えた。
でも正直に言うと、私は写真を撮られる事が好きではない。
だって、写真を撮られたところでその完成度を自分の目では確かめられないから。