あなたの落とした願いごと
「何だよ、その確定事項みたいな言い草」
隣を見ると、机の上で両手を組み合わせた滝口君がため息をついている。
「あのね、私達は毎回の試験が死活問題なの!」
私達以外誰も居なくなった教室で、エナがバァン、と机を叩いて立ち上がった。
「夏休みの補習地獄は避けないと!そうでしょ沙羅!」
そのままの勢いで彼女が私に同意を求めてきたから、
「ははっ、その通りです…」
私は、乾いた笑い声を上げながら頷いた。
悲しい事に、私達3人はこの間の中間試験で仲良く赤点を取ってしまったメンバーなんだ。
私は苦手な古文で、日本語のみで生きていけると言い張るエナは大嫌いな英語で、そして空良君に至っては、数学で青点を取るという大失敗をやらかしている。
全教科で90点以上を取り、日本史では満点を獲得した滝口君の周りの席の住人が赤点の常連だなんて恥ずかしいけれど、当の本人は何とも思っていない様なのが唯一の救い。
「そもそも、俺だって勉強したいのに何でお前らに教えなきゃいけないわけ」
秀才の声は冷たくて、ワイシャツの袖を二折りした私の腕に鳥肌が立つ。
「お前はこれ以上勉強しなくて良いよー。どうせ将来の道は開けてるんだし」
隣を見ると、机の上で両手を組み合わせた滝口君がため息をついている。
「あのね、私達は毎回の試験が死活問題なの!」
私達以外誰も居なくなった教室で、エナがバァン、と机を叩いて立ち上がった。
「夏休みの補習地獄は避けないと!そうでしょ沙羅!」
そのままの勢いで彼女が私に同意を求めてきたから、
「ははっ、その通りです…」
私は、乾いた笑い声を上げながら頷いた。
悲しい事に、私達3人はこの間の中間試験で仲良く赤点を取ってしまったメンバーなんだ。
私は苦手な古文で、日本語のみで生きていけると言い張るエナは大嫌いな英語で、そして空良君に至っては、数学で青点を取るという大失敗をやらかしている。
全教科で90点以上を取り、日本史では満点を獲得した滝口君の周りの席の住人が赤点の常連だなんて恥ずかしいけれど、当の本人は何とも思っていない様なのが唯一の救い。
「そもそも、俺だって勉強したいのに何でお前らに教えなきゃいけないわけ」
秀才の声は冷たくて、ワイシャツの袖を二折りした私の腕に鳥肌が立つ。
「お前はこれ以上勉強しなくて良いよー。どうせ将来の道は開けてるんだし」