あなたの落とした願いごと
勉強をしていると何故か猛烈な睡魔が襲ってくる現象は、もちろん私も心当たりがある。
(滝口君も寝ちゃったのかな、)
そんなことを考えながら横を向くと、
「うわっ!」
「…何だよ」
私の目の前には、こちらを見ているのであろう滝口君の顔があった。
彼の目がどの辺りにあるのかも判別し難いけれど、この距離と彼の台詞から察するに、彼は確実に私を見ている。
「あ、いや、二人共寝ちゃったんだなって、」
私が今、想像上の彼の目の位置を見ながら話している事も、この胸の高鳴りも、絶対にばれてはいけない。
真正面に座る彼の目元に出来た影を見ながら笑って誤魔化すと、
「こいつら、授業を全く聞いてない割には良くやれてる。残るはお前だな」
2人が聞いたら泣いて喜びそうなお褒めの言葉と、私に対する期待の色が見え隠れしている言葉が返ってきた。
滝口君、相手を正面から賞賛して伸ばすんじゃなくて、影で褒める事で支えるタイプなんだ。
そっちの方が滝口君らしくて、格好良いか、も…
「うわあああ駄目駄目!」
今、私は何を考えた?
誰が格好良いって?
そんな事、今後一切考えちゃ駄目。
思わず叫んでしまった私は、此処が図書館である事に一拍遅れて気づき、慌てて手で口を押さえた。
遠くに居る他の生徒がこちらを見ているのが雰囲気で伝わり、一気に恥ずかしさが襲ってくる。
(滝口君も寝ちゃったのかな、)
そんなことを考えながら横を向くと、
「うわっ!」
「…何だよ」
私の目の前には、こちらを見ているのであろう滝口君の顔があった。
彼の目がどの辺りにあるのかも判別し難いけれど、この距離と彼の台詞から察するに、彼は確実に私を見ている。
「あ、いや、二人共寝ちゃったんだなって、」
私が今、想像上の彼の目の位置を見ながら話している事も、この胸の高鳴りも、絶対にばれてはいけない。
真正面に座る彼の目元に出来た影を見ながら笑って誤魔化すと、
「こいつら、授業を全く聞いてない割には良くやれてる。残るはお前だな」
2人が聞いたら泣いて喜びそうなお褒めの言葉と、私に対する期待の色が見え隠れしている言葉が返ってきた。
滝口君、相手を正面から賞賛して伸ばすんじゃなくて、影で褒める事で支えるタイプなんだ。
そっちの方が滝口君らしくて、格好良いか、も…
「うわあああ駄目駄目!」
今、私は何を考えた?
誰が格好良いって?
そんな事、今後一切考えちゃ駄目。
思わず叫んでしまった私は、此処が図書館である事に一拍遅れて気づき、慌てて手で口を押さえた。
遠くに居る他の生徒がこちらを見ているのが雰囲気で伝わり、一気に恥ずかしさが襲ってくる。