S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 それからキスされると、要さんはいとも簡単に私の服を脱がしてしまう。

「や、やっぱりこれ……恥ずかしい」
「恥ずかしがらないで全部見せて。夫婦なんだから全部見せるのが普通だ」
「うぅ……」

 普通だと言われてもやっぱり恥ずかしくて身体を腕で覆ったら、
 そこから左手を取られて、左手をじっくり舐められた。

 そのたび、電気が走るようなビリビリした変な感覚に襲われる。

「ちょ、なんでそこばっかりッ!」
「だって如月に触れられたんだろ?」

「そうですけどっ、なんか、それっ、や!」

 左手の指や指の間を舐められるたびにピリピリとする。
 要さんと目があうと、泣きたくなるくらい胸が苦しくなって、ぎゅっと目を瞑る。

 そうすると要さんの熱い手が、ふとももに触れてびくりと身体が跳ねた。

「かわいい、いろは」

 思わず手を伸ばす。
 お願い。要さん。

「怖いからっ、キスしてて……!」

 私が言うと、要さんは目を細める。
 そして、「もちろん」と優しく告げると、何度もキスを落としてくれた。
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