Ｓ系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい～お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで～

　そんなことを思っているのに、さらに

「まぁ、最初だけではなくて、最後の男にもなりたいんだが」

　なんて言われる始末。

「なっ……」

　私は声が詰まって出なくなる。

　なにこれ。何この人……。
　この顔でこのセリフの破壊力が分かって言ってるの？

（だけど、そんな人が私の夫なんだ……）

　私は自分だけがすごくドキドキさせられてるみたいで、なんだかすごく悔しくなってきた。
　昨日から、いや、最初に会ったときからいつだって自分だけが翻弄されている気がする。

　私はぐっと唇をかむと、

「顔と台詞が非常に有害です……」
「ハハ、いろはは照れると結構暴言はくよね」

　そう言って要さんが楽しそうに笑うから。
　私はその笑顔から目が離せなくなった。