S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

「ま、まさか!」
「そうよねぇ。じゃ、好きな人だ」
「っ……」

 そう言われて思わず言葉に詰まってしまった。
 違います、と言ったけど、時すでに遅し。と言った様相だった。

「え? だれ? 社内の人?」
「そこんとこ、振った相手にくらい詳しく教えろよ」

 三堂さん、如月さんに詰め寄るように言われる。如月さん、あなた意外にメンタルが強いんですね!

「そ、そんな人、いませんって!」

 私が叫ぶと、如月さんが私の顔を覗き込む。

「本当か?」
「はいっ、いません」

 ぶんぶん、と頭を縦に振った。
 すると如月さんは息を吐く。

「じゃあ完全にだめってこともないんだな」

 意味が分からない、と思って如月さんを見ると、如月さんは不穏な笑みを浮かべていた。
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