S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「いつか、私、あの日出会った2人にちゃんと認められるくらいの大人になりたいって思ったんです」
私が言うと、そうか、と三堂さんは頷いた。
「2人って誰だったの? 入社して見つけた?」
「男性の方は……見つけました」
「そうなの⁉︎ そ、それで恋に発展したり⁉︎」
「ま、ま、まさか! そんな恐れ多い!」
私は慌てて手を横に振る。
「未だにあの2人が並んでた姿が目に焼き付いてます。テレビから抜け出てきたような、スーツ姿同士なのに、すごくお似合いで大人のカップルにも見えた。あの人の隣には、私があの時見た綺麗な女性が似合うなぁって」
「でも、付き合ってるかどうかはわからないんだよね?」
「それはそうですけど……私が隣じゃ似合わないんですよ」
私は彼女とは全然違う。
だから。