S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 私は息を吸うと、一息に告げた。

「それでも、近くにいれればそれだけでいいって思ってました」

(なのにまさか、あの時はこんな事になるなんて。夢にも思ってなかった……)

 最終面接で突然再会して、
 入社してから一年後、人事部に突然彼がやってきて。

 お見合いの時だって、実はすごくうれしかったけど……。

 でも、彼の隣はいつも私には似合わないんじゃないかと不安だった。

 それに私自身もまだまだ半人前で、このままの私で結婚するのは嫌だったんだ。

 ちゃんと仕事で彼に認められたくて。
 それから、ちゃんと彼に恋がしたかった。


―――あの時の彼、北条要さんに。

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