S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 そう思っていると、三堂さんは私の両手をがしっと掴んだ。

「私は七瀬さんの恋、応援する!」
「あ、あの……」

 戸惑っていると、

「そんな大事な話を私にしようと思ってくれてありがとう」

と三堂さんがからっとした笑顔で笑った。

 三堂さんは、新入社員の一年間、すごく大切に私を育ててくれた先輩だった。

 何でも教えてくれて、時には真剣に怒ってくれて、絶対にこの人を信じてついていけば大丈夫だと思わされた。

 私はまた泣きそうになって、

「こちらこそありがとうございます」と頭を下げていた。

 三堂さんは私の頭をぽんぽんと叩くと、

「まぁ、ほら、投げよう!」

と椅子から立ち上がった。

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