S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
 私と要さんだけ2人でその場に残されると、とても気まずい空気が流れている気がした。

「えっと……さっき三堂さん何て?」
「『案外部長の方が七瀬さんに惚れ切ってるんですね』、だって」
「えぇ! そ、そもそも結婚してることは秘密ってルール!」
「三堂さんも結婚してるとは思ってないだろ」
「そ、それは……」

 思わず言葉に詰まる。
 確かにそうだけど……! それ、何かずるくないです⁉︎

 そんなことを考えていたら、手を引かれ駐車場に連れて行かれると車に乗せられた。

「ほら、乗って」
「……はい」

 精神的にも、物理的にも……
 どうやっても要さんから逃げ切れることはないようだ。

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