S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 走る車内の助手席で、沈黙に耐えきれず私は口を開いた。

「ご、ごめんなさい」
「何が」
「連絡もせずに遅くなって……それに昼間も……」

 どちらも結婚してから始めての出来事だった。

「『もう……絶交です! 大嫌いですから!』だっけ。あれは確かに効いたな」

 そう言って要さんは真面目な顔で続ける。

「俺が悪かったんだよ。だってさ、『好きな人はいない』って断言されただけで冷静でいられなかったんだから」
「……え」
「朝、話してたろ。それで、如月のこと焚きつけたのにも気づいてないし」

 そう言われて、はっきり分からないなりに、如月さんの行動が私の言葉が原因であったことがなんとなくわかる。
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