S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 そう思うと、顔が熱くなって、要さんの前で普通にしていられなくなる。
 ドッドッドッという心臓の音が頭の中で響く。

「なんだ、そんなにじっと見つめて挑発してるのか?」
「挑発って……」

 ふい、と目線を逸らした。
 好きだと気づくと、もう見てられないくらい恥ずかしい。

 なのに、要さんはそんな私の気持ちをわかっているのかいないのか。
 ぐい、と顎を持つと、自分の方に無理矢理に向き合わせた。

「俺は、いろはの挑発には絶対に乗るからな。覚悟しろ」

 そのまま唇が合わせられる。

< 143 / 283 >

この作品をシェア

pagetop