S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
それから少しして、
「た、立てない……」
「ハハ」
車で立てなくなった私を、要さんは笑って、それから前にしたように抱き上げて車から出した。
「は、恥ずかしいから下ろしてください!」
「連絡なしに遅くなって、心配させたバツだな」
「……!」
そう言葉に詰まったけど、
抱き上げられながら要さんの首に腕を回すと、要さんの笑った顔が目の前で見られて……。
(これだと、結局バツになってないんだけどなぁ)
なんて、私は思ってしまっていた。