S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 そう思いだしていると、要さんは私の目を見て口を開く。

「今は?」
「……へ?」
「頬と唇、どっちにキスしてほしい?」

「っ……」

 なんだか意地悪な言い方に私は言葉を詰まらせる。要さんをチラリと見ると、目を細めてこちら見ている。

(その顔……答え、分かってませんか?)

 だけど、きちんと言わないと許さないというように、要さんは言う。

「嘘はつかないルール覚えてる?」
「またっ!」

 また、それ!
 あんなルール作るんじゃなかった! っていうか、あれは要さんが言いだしたんだ!

 要さん、絶対先を読んでた!

 悔しい。けど、私、それでもこの人を好きになって、この気持ちを止めるなんてできなくなってる……。

 唇を指さして、

「唇です!」

と叫んだ瞬間、要さんは目を細めて笑うと、私の唇にキスを落とした。

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