S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「やっぱり……子どもはまだ」
要さんはそれを聞いて、優しく微笑む。
だって怖い。まだ子どもを持つ覚悟だってできてない。
「あぁ、分かってる」
「それに、途中まででも……私、変になるし……怖くて……」
ゆっくり話す私の言葉を、要さんは話を切らずにきちんと聞いてくれた。
優しく髪を撫でる手に、少しほっとして顔をあげると、要さんは私の方を見ている。
「……これはね子どもを作るってだけの行為じゃないんだ。お互いの気持ちを確かめ合える行為だと思ってる。少しずついろはにも分かってきたんじゃないか?」
「それは……」
私は、少ない知識を総動員して考えていた。
この前、要さんの身体を見て、触れた。
その時、教えてもらったけど……私にはいまだその行為が信じられない。
それで気持ちが確かめ合えるって……本当?
私はぶつぶつと口に出していた。