S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
14章:波紋
―――それから数日。
あの日から、要さんは最後までするわけではないけど、
毎日……さらに容赦ない。
「まだ覚悟はできない?」
「で、できないっ、やっ!」
弾む息で、返事もままならない。
今日もベッドの上では、要さんは私が反応する場所を探るように、そしてそれを見つけたらもっと反応するように攻めてくる。
(こんなこと毎日されて、これ以上のことだとわかって覚悟なんてできるはずないじゃない!)
要さんは攻める手を休めることなく、耳元に口づけ囁く。
「まぁ、ここまでに何年もかかったんだから……いろはの心と身体の準備ができるまで待つよ」
(何年も? 私たちは半年前に結婚したばかりだ)
もしかして、要さんが人事部に来た時から……それでも一年前だけど……
続きを考えられなくなるくらい、要さんはさらに私の弱いところばかりを攻めてきた。