S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
私が考え込むと、三堂さんが如月さんをつついていた。
「って、如月ぃ。そんなに喜んだ顔をするな」
「いや、ちょ、変なこと言うなよ」
「まず意味が分かってないから大丈夫よ」
私はそんな会話も耳に入っておらず、要さんをそっと見つめる。
(つまりは、要さんは、あの和島さんに『一回だけセックスしてほしい』って言われたってこと……?)
要さんはどう返事したんだろう。
これがみんな当たり前に知っているという感覚なら、それをオッケーする人もいるってことだ。
昨日から混乱することが多い。
そういう今まで触れてこなかった世の中のことを、この二日で殆ど教えられているような感覚に陥る。レベルが高すぎる……。
「まぁ、そのあたり、あのレベルになると、いくらでも抱く相手はいるだろうしな」
そして、最後の如月さんの呟きだけが、私の中でずっと一日中ひっかかり、残っていた。