S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
―――そんなある日。
私は如月さんの手伝いで少し遅くなった。
如月さんが送ってくれると言ったけど、それを断って、歩いて帰った。
仕事でも顔を見ていて、毎日抱きしめられているのに、
それでも不思議と少し会っていないだけで早く要さんに会いたいと思うのだから、私は重症だな、なんて思いながら。
マンション前に着いたとき、突然腕が掴まれた。
要さんとは違う感触に驚いて振り返ると、如月さんがそこに立っていた。
(なんでここに如月さんが……?)
その心の中の疑問に応えるように如月さんは言う。
「最近様子がおかしいから気になってついて来てみれば……ここ、部長のマンションじゃないのか?」
「え……あの……」
私は固まってしまう。
すると、
「ちょっと来い」
とそのまま手を引かれて、近くの公園まで連れていかれた。