S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「いろは? 何か様子が変だな」
「別に何でもないです」
「そうか?」
「はい」
わがままかもしれないけど、私はまだ仕事をやめたくないし、この要さんとの生活も守りたい。
要さんのそばにいたい。
ととと、と要さんの方まで歩くと、要さんをぎゅう、と抱きしめた。
要さんは笑って、私を抱きしめ返して優しい声で言う。
「困ったことがあれば言いなさい。一応上司で、それに夫でもあるんだから」
「なら、ぎゅうってして?」
たぶんね、私はそれが一番、元気が出るの。
要さんは笑って、ぎゅう、と私を抱きしめる腕に力を込めた。
「あったかい。要さんの腕の中、好き。すごく好き」
私、まだ最後までって勇気はでないけど、
でもね、こうされてる時間は好きなんだ。