S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~

 間近で見ると、私より身長も高く、すらっとしているのにバストにもハリがあり、整った顔立ちに長いまつ毛、髪も艶々で清潔に長く、全方位どの角度から見ても美人のそれだった。

 まったく勝てる要素がない。
 いや、そもそも勝つ気があったのか……。

 そんなことを悶々と考える私を槙野さんは見ると、

「あら、あなた……」

と呟く。
 私は慌てて頭を下げた。

「人事部の七瀬いろはと申します」
「七瀬さん? ……そう」

 槙野さんは言う。
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