S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
16章:ヤキモチ
玄関に入る前に、息を吸う。どこかに行きたいと思っても帰る場所はここしかない。
それに帰りたいと思う場所だって、ここしか……。
少しして、ドアを開けた。
「ただいまかえりました」
「おかえり」
そう言いながら、要さんが玄関までやってくる。その声に、気配に、ドキリとした。
私は耐え切れなくなって目をそらし、
「あの……わ、私、先にシャワー浴びてきます」
と言っていた。