S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
それから二人笑い合って、私はつい要さんの頬に手を伸ばす。
要さんの顔、こんなに近くで触れて、見られるの、今は私だけ。
昔、誰かがこうしてたとか、それが誰だったかとか……
すごく気にはなるし、不安は消えないけど……。
でも、今の私は、少しは自信を持ってもいいのだろうか……。
そんなことを思っていると、ふと、自分の胸や腕に赤い点がたくさん散っていることに気づく。
「これ……なんですか」
「キスマーク。俺のものって、意味のシルシ。今までもつけてたけど、気付いてなかった?」
「……キスマーク?」
私が繰り返すと、要さんは微笑む。
さらに身体を見れば、身体にはもっと多数の赤い点が散っている。
「あぁ、かわいすぎて、ついたくさんつけてしまった」
「つい、って……! こ、こんなに……!?」
私が泣きそうになると、要さんは微笑んで
「すまないな」という。
それはいつも通りの反省していないときの声だった。