S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「……そこの自販機で、ジュースおごってやるから泣き止め」
そう如月さんが言う。
「泣いてませんし、ジュースって……私のこと子どもか何かと思ってません?」
「違ったか?」
「嫌な先輩!」
怒って返すと、如月さんは苦笑する。
「でも、好きな奴が泣いてたらどうにかして笑わせたいって思うだろ。それが他の男のことだってさ」
如月さんはそう言って私の頭を少し乱暴にぐしゃと撫でた。そして手を止めたと思ったら低い声で呟く。
「どうして、あんな無茶な人好きになるかな……」