S系御曹司は政略妻に絶え間なく愛を刻みたい~お見合い夫婦が極甘初夜を迎えるまで~
「七瀬は、最初からそうだよ」
如月さんは小さくつぶやく。
「え?」
「お前はなんでもそうやって、意思がはっきりしてんだ。揺れない。俺はお前のそういうところに惚れたんだから、俺の恋はどうにもならないな」
私はその言葉に驚いて、如月さんの顔を見た。
如月さんは息を吐いて、
「ま、望みは薄いだろうけど、頑張れ」
と言ってくれた。
「はい」
「あのさ、一応言っておくけど、部長とどうこうなりたいだなんて、レベル1で魔王倒すようなもんだからな」
「なんですか、それ」
私が眉を寄せると、如月さんは笑う。
それでも、如月さんが頑張れって言ってくれたことがやけに嬉しくて、心の中が暖かくなってくる気がした。